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「吾北を歩く」は、平成9年に村勢要覧として村が発行した「ほのぼの吾北」のために、
リポート形式で制作された村の紹介文です。
もちろん、ここで触れられている場所や行事が吾北村のすべてではありませんが、村の大まかな姿を知っていただくには最適のテキスト。
短めの旅行記として、ネット上で「吾北村」をご体験ください。
(※文中の年齢などは、発行当時のものです)
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-その1-
水のせせらぎと、
樹々のささやきに囲まれた村。
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高知県の中央部を流れる仁淀川(によどがわ)を辿るように国道194号線を、北をめざしてひた走る。
山がぐっと身近に迫ってきた。その山に行く手を遮られるかのように仁淀川は進路を変え、194号線は新たに上八川川(かみやかわがわ)と出会う。
仁淀川に注ぐ120もの支流のなかでも最大といわれる川だ。この川が滔々(とうとう)と流れる村が吾北村。
県庁所在地である高知市から38km、約1時間あまり。かつては木材や木炭、土佐和紙の原料となる楮(こうぞ)やミツマタなどが、この川を伝って下流の伊野町(いのちょう)や浦戸湾(うらどわん)、さらに大阪へと運ばれていたのだそうだ。
漉地(すきじ)、高岩、思地(おもいじ)など川筋の集落は、その川舟が行き交う川宿のまちとして大いに賑わったという。
いまはひっそりかんと静まり返った集落の遠い記憶だ。
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それでも上八川川は、途中、いくつもの川を集めながら、昔と変わらず仁淀川へと注いでいる。
吾北をちょっと走れば気づくことだが、とにかく川が多い。
しかも一歩、支流に入れば、川底の石ころひとつまで透けて見えるほどの清らかさなのだ。
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平成8年夏に公開された東陽一監督の映画「絵の中のぼくの村」は、この吾北村を中心に高知県内で撮影が行われたが、
その映画のなかを流れる美しい川は、実は村にある枝川川(えだがわがわ)という支流。
土手道を歩いているうちに、だんだん、こどもの頃に帰っていくような気がしてくる。
不思議なことに、それまで思い出したこともなかったような幼い記憶が、ひょっこりと顔を覗かせ、自分に向かって手を振りはじめるのだ。
吾北の風景は、照れくさいほど素直で、素朴な自分を思い起こさせてくれる力を持っている。
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(平成9年発行 吾北村村勢要覧「ほのぼの吾北」より)
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